
求人広告費、人材紹介会社への費用など、採用コストは高額です。また、ざっくり「採用コスト」と言うけれど、実際にはどんなものにどれぐらい費用がかかっているのか、認識していますか?
この記事では、実際の採用活動の各プロセスで発生する「採用コスト」を見える化し、リアルな費用感をお伝えしています。
また、弊社のご支援先企業様に多い「社員20名規模の中小企業」における1人当たりのリアルな採用コストから、具体的な削減方法まで分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
意外と気づかぬ「採用コスト」は多い!見える化してみた
企業が採用活動を行う時、そのプロセスごとに発生してくる「採用コスト」。分かりやすい例で言うと、求人広告費や人材紹介会社(一般的にエージェントと言われます)に支払う費用はパッと思い浮かべることができるかもしれませんが、採用業務をする人材の「人件費」というコストも発生していますよね。
そこで、採用コストにはどんなものがあるのか見ていく前に、採用コストには「外部コスト」と「内部コスト」があるという概念を知っておきましょう。
採用コストには「外部コスト」と「内部コスト」がある
採用コストは大きく2つ、「外部コスト」と「内部コスト」に分かれます。

外部コストには請求書があるので把握しやすい一方、内部コストの人件費は見落とされがちです。
採用コストにはどんなものがあるのか?見える化してみた
採用活動の実務は地味に多岐にわたります。そのひとつひとつの業務内容の中には、求人広告費用などの外部に支払う「外部コスト」や、採用担当者への人件費などの「内部コスト」が発生しています。
以下の表に、採用の「業務内容」ごとに発生する「採用コスト」をのせてみました。
| 区分 | 業務内容 | 採用コスト |
|---|---|---|
| ▼ステップ1:採用計画のフェーズ | ||
| ・採用計画の策定 ・ペルソナの設定 ・採用手法のリサーチ ・求人媒体の選定 | 左記の業務をする人件費 | |
| ▼ステップ2:募集フェーズ | ||
| 有料求人媒体の契約 | 契約費用 | |
| ・求人票作成、アカウント作成 ・求人媒体の運用 ・求人媒体担当者との対応 ・応募者管理、対応 ・スカウトメール | 左記の業務をする人件費 | |
| 人材紹介会社の契約 | 契約費用 | |
| 人材紹介会社の窓口対応 | 左記の業務をする人件費 | |
| ▼ステップ3:面談・選考フェーズ | ||
| 合同説明会の実施 | 出展料 | |
| 採用PR動画の制作 | 制作費 | |
| 適性検査の実施 | 検査ツールの利用料 | |
| ・適性検査の結果確認 ・書類選考 ・面接対応 | 左記の業務をする人件費 | |
| ▼ステップ4:内定後のフェーズ | ||
| ・内定通知書の送付 ・内定後のフォロー | 左記の業務をする人件費 | |
実際にはここに書ききれないほど、採用の業務内容は細かく存在します。すべて書き出すと読み手が疲れてしまうので、今回は一般的な業務内容と、そこにかかる採用コストを表にまとめてみました。
こうして見える化してみると、外部コストの陰に隠れて、実は多くの人件費「内部コスト」が発生していることに気づかれたのではないでしょうか。
中途採用で1人採用までのリアルな外部コスト
20名規模の中小企業が「有料の求人広告」を利用した場合のリアルなコスト
有料の求人広告の費用相場は、月30万円前後が平均的な水準です。1名採用する場合、この金額を1年間払い続けると仮定すると、360万円にのぼる計算になります。
「1名採用するのに1年もかかるの?」と驚かれた方もいるかもしれません。一方で、なかなか応募が来ない現実を日々目の当たりにしている採用担当者の方なら、この数字にも納得感があるのではないでしょうか。
もちろん、給与や休日などの労働条件が良い会社、事務職などの比較的人材が集まりやすい職種、魅力的な企業などであれば1年もかからずに決まるでしょう。
しかし、正直なところ、労働条件が特別良いわけでもない、際立った魅力があるわけでもない、そういった「普通の中小企業」が自社のみで採用活動を行った場合、求人広告だけで理想の人材に出会うまで1年近くかかるケースは一般的、というのが採用実務に携わった者の感覚です。
20名規模の中小企業が「人材紹介会社」を利用した場合のリアルなコスト
人材紹介会社(エージェント)を利用すれば、候補者自体はある程度紹介してもらえます。ただし、紹介された人材が必ずしも「理想の人材」とは限らず、ミスマッチが起きることが一般的というのが実情です。
労働条件が特別良いわけでもない、会社に際立った魅力があるわけでもない、誰もが知る人気企業でもない、いわゆる「普通の中小企業」が自社だけで採用活動を行った場合、理想の人材を採用するのはなかなか厳しいのが実情です。
言い方は悪いですが、ある程度条件面で妥協した人材で採用を決める、というのが現実的な落としどころになりやすく、その場合、おおよそ6ヶ月程度で1名採用というのが目安。
もちろん、採用難易度が低い職種であれば、わざわざ人材紹介会社を使わなくても人材は見つかります。人材紹介会社を主に利用されるのは、なかなか人材が見つかりにくい専門職や、採用難易度が高い職種の場合がほとんどですので。
人材紹介会社は「成功報酬型」の料金体系。候補者が入社した時点で費用が発生するので、採用に至らなければ費用は一切かかりません。その代わり実際に入社が決まると高額な費用が発生します。
今回のケースの場合、入社が決まった時点で、年収400万円の人材であれば1名あたり140万円(理論年収の35%が相場です)が費用になります。
外部コストだけで採用コストを判断しない、内部コストの重要性
今まで見てきたのは、求人広告費や人材紹介会社へ支払う「外部コスト」でした。しかし実際には、採用活動の間ずっと採用担当者が求人原稿の作成や応募者対応、面接対応、書類選考といった業務に時間を使っており、この時間も確実に人件費「内部コスト」が発生しています。
内部コストは、採用担当者の給与水準や、面接の回数、業務の進め方によって大きく変動するため、一概に「いくら」とは言い切れません。ただ、地味な実務のひとつひとつを積み上げていくと、決して小さくない金額になるのは間違いありません。
このように、外部コストの数字だけを見て「採用にはこれだけかかった」と捉えてしまうと、実際にかかっているコストを見誤ってしまう可能性があります。
求人広告費などの目に見える金額の裏側で、採用担当者の人件費もまた、確実に採用コストとして消費されている、という点を認識しておくと良いと思います。
採用コストを抑えるための考え方
採用手法を絞り込みすぎない
無料媒体のIndeed・Airワーク・求人ボックスなどと有料媒体は、それぞれ得意分野が違います。無料媒体は掲載コストがかからない分、原稿の見せ方や更新頻度によって露出量が左右されやすくなります。
逆に有料媒体は一定の露出が保証される分、まとまった費用がかかります。
最初から有料媒体に絞り込むのではなく、まず無料媒体で反応を見て、応募が集まりにくければ有料媒体を利用する、という段階的な使い分けが、無駄な広告費を抑える基本です。
また、1つの媒体だけに頼ると、その媒体を見ていない層には一切リーチできません。複数の媒体を並行して試し、実際に応募や採用につながった媒体だけに絞り込んでいく方が、結果的に費用対効果は高くなります。
応募が来ない原因を先に潰す
応募が来ないとき、多くの企業がまず考えるのは「広告費を増やす」ことですが、それは対症療法にすぎません。先に見直すべきは求人原稿そのものです。例えば、
こういった点は、広告費を1円も増やさずに見直せる部分です。実際、原稿の見出しや条件面の書き方を変えただけで応募数が改善するケースは珍しくありません。
広告費を増やすのは、原稿の質を見直した後の最終手段と考えた方が、無駄な出費を避けられます。
早期離職を防ぐ工夫をしておく
せっかく採用できても、入社後すぐに辞めてしまえば、それまでにかけた外部コスト・内部コストがまるごと無駄になり、また一から採用活動をやり直すことになります。
早期離職の多くは、入社前の説明不足と、実際の仕事内容・職場環境とのギャップから起きています。そのため、これを防ぐには、
こういった選考設計の工夫が、結果的に「採用コストを何度も支払い直す」事態を防ぐ、地味だけれど効果の大きいコスト削減策になります。
時間のかかる採用業務を外部に任せてみませんか?

これまで見てきたように、採用活動には求人原稿の作成、応募者対応、日程調整、面接対応など、目に見えにくい内部コスト(人件費)が数多く発生しています。特に採用専任の担当者がいない中小企業では、総務や経理の担当者が本来の業務を兼任しながら対応しているケースがほとんどです。
こうした工数のかかる業務を採用のプロに任せることで、社内の担当者は本来の業務に集中でき、採用ノウハウを持った専門家が対応する分、採用の質そのものが上がることも期待できます。
「今の採用コストが適正なのか知りたい」
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